サテライト水戸が会員となっている茨城県次世代エネルギーパーク推進協議会の視察研修があり、10月21日から22日まで、大阪、名古屋方面に行ってきました。
県のイベントとあり茨城空港を利用。フライト前に空港屋上の見学エリアに足を運んだところ、隣りの国土交通省東京港航空局百里事務所の屋上に太陽光パネルが乗っているのを発見。同事務所に聞いたところ「新しい庁舎を建てる場合、屋上の緑地対策等が義務づけされているため、太陽光を導入しました」とのこと。モジュールはシャープ製で発電容量は約12kWh。庁舎電力に使用しており建物内には表示装置があるそうです。しかし、空港ターミナルとは別の建物となるため、一般の方は見ることは出来ません、残念…
神戸まで雨のフライトに。スカイマークのJA737に初乗りしました
前置きはこれくらいにして茨城空港から神戸へ。約1時間半で神戸に到着。バスに乗り大阪府池田市にある「産業技術総合研究所関西センター」を訪問。ここで燃料電池について講演と研究施設の見学をしました。
茨城では日立製作所、大阪と言えばパナソニック。その土地柄か電池技術の最先端研究を官民共同で同センターで行っています。現在、市販のハイブリット車の電池はニッケル水素ですが、次世代電池としてリチウムイオン電池が有力視されています。ニッケル水素よりも3倍のエネルギー密度があり、理論的には1回の充電で約500㌔の走行が可能。リチウムイオン電池の素材研究に取り組んでいます。
施設見学では1972年に燃料電池自動車として初めて試験走行したダイハツの軽トラックが展示されていました。荷台には重々しい燃料電池と鉛電池が占拠。最高速度は52㌔、排出されるのは水と空気のみ。38年前の車とありレトロな姿ですが、立派なエコカーです。
次に向かったのが、愛知県常滑市の「あいち臨空新エネルギーパーク」実証研究エリア。2005年に開催された「愛知万博」で各パビリオンの電力として再生可能エネルギーを使用。その施設がそのまま実証研究エリアとして活用されています。発電プラントの中で目を引きつけたのが太陽光発電施設。4種類の太陽光発電があり、モジュール上にレンズをかぶせ太陽光線を集約する「集光式太陽光発電」は、従来型に比べ2倍の出力を生み出しますが、たえず日光がパネルに直角に当たらなけらば発電しないので、架台に太陽を追尾する機能が備わっていました。
また、両面からの光をエネルギーに変換する「両面受太陽光発電」も設置されていました。建材一体型なので手すりやフェンスなどとして活用できるそうです。4種類の太陽光で計360kWhを発電。この電気は近くの常滑浄化センターの電力として供給しています。このほか風力、燃料電池、バイオマスなど、多彩な発電施設を見ることができました。
愛知県は一連の実証研究を産業労働部が担当。燃料電池の研究では、都市ガスを原料とした水素・燃料電池を採用。その理由について県の担当者は、「構造が複雑で部品も多くなり、産業のすそのが広がるため」と説明。新エネルギーを「産業」と位置づけ積極的に取り組んでいるようです。地元・トヨタ自動車も、将来は電気自動車のほか、燃料電池自動車についても実用化を目指しているようです。
また太陽光発電では、中部電力が「メガソーラーたけとよ」(愛知県武豊町、発電出力7.5MW)を来年度に稼働を開始する予定です。
2日間の視察を通して、地域産業と協力しながら、グローバルスタンダードを目指し、新エネルギーの研究・開発にしのぎを削っている実情を垣間見ることができました。
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