桜川市のサイクルイベント「2013 ツール・ド・さくらがわ」が5月19日、開催されました。今年は震災のため通行不可だった北筑波の峠を走破する「パノラマビューコース」が復活。同イベント3度目の参加で、初めてパノラマビューコースに挑戦しました。
参加コースは3つ。市内をゆっくり散策するポタリング▽初級から中級者向けの山岳ルートを除いた平坦コースをロングライドするチェリー&コットン(走行距離約90㌔)▽中級者以上のパノラマビュー(同約100㌔)。約600人の参加者のうち、半分以上の350人がパノラマビューコースにエントリー。ロングライドながら本格的なヒルクライムが設定されているとあり、同イベントのリピーターは毎年60%を超えるほど人気を集めています。
スタート・ゴール地点は桜川市真壁総合センター。午前8時すぎから10人1組ずつ出発。最初は市内南部と隣接する筑西市内の平坦なコースで足馴らし。約17㌔走ったところでいよいよパノラマビューコースの最初のステージ・上曽峠に突入。県道は片側交通規制で一般車が後ろから迫ってくる心配はなし。思う存分ペダリングに専念できますが、ほぼ直線で勾配12~15%の登りが連続して約3㌔も続くとあり、それまで集団走行していた参加者は散り散りになり、悪戦苦闘しながら標高約300㍍の峠を一気に登りました。
上曽峠をクリアすると、標高709㍍の加波山を目指して尾根を縦走。平均13%、最大18%の勾配が立ちはだかり、再び足は悲鳴を上げる始末。シッティングとダンシングを繰り返して山岳コースをクリア。尾根には3つの峠があるため、激坂が終わりとダウンヒルが出現、そして再び激坂…天国から地獄に落とされるようなコース設定。私のような初心者は、激しくアップダウンするコースレイアウトが読めないため、自分のリズムでペダリング出来ず、サドルの上でひたすたもがき続けました。
このパノラマビューコースには、激坂に苦しんだ者のみが満喫できる絶景ポイントが用意されています。それは途中の尾根にあるきのこ山と足尾山の間に、ハンググライダーやパラグライダーの離陸場があります。開会式で「大会で初めて絶景が見えると思います」(主催者あいさつ)との話し通り、離陸場の眼下には水をたたえた水田地帯の桜川市の街並み、そして関東平野が広がり、参加者の多くが自転車を止め、カメラで撮影するなど眺望を楽しんでいました。しばらく進むと峠のエイドポイントに到着。ここでしっかりと水分補給し体力を回復。再び高速のアップダウンコースを経て、無事に峠をクリアしました。
山頂に設置された風力発電施設、「ペダルに風力パワーを!」と思わず叫びたくなりました
震災以降、峠は崖崩れなどの影響で通行止めが続いていましたが、路面改修等を行い通行止めは解除。しかし、今度は路面に設置した鉄製のふたが盗まれる事件がり、イベント当日は、応急措置で溝をふさいだ盛り上がったアスファルトカ所や、ふたのない部分にはパイロンを立て、凹凸のある場所は十分注意して走行するよう促していました。
不動峠から尾根を走行し麓に下りた区間は全長約10㌔にも及びました。ベテランのサイクリストも唸らせる激坂、そしてダウンヒル区間。私を含め参加者は、本格的なヒルクライムレイアウトに十分満喫。後は個々のスピードに合わせてトレインを組んで平坦コースをライド。途中2カ所のエイドポイントはスポーツドリンク、バナナ、ビスケット、菓子パン、さらにはサラミなども用意され補給食は充実。また、ゴールするとすぐに目の前で完走証がプリントアウト。私のトータル走行距離約95㌔。走行時間は4時間57分でした。ゴール受け付けわきには冷えたキュウリが用意され、美味しく頂きました。最後はお楽しみの抽選会も行われ、私はひしお味噌(もろみ)をゲット。なお、参加賞として地元コシヒカリ3㌔もプレゼント、家族も喜びました。
大会の実行委員会のみなさんと、地元の自治体・警察署の全面的な協力により、今年で6回目を迎えた同イベントもさらに充実。峠を思いっ切り走るのもよし、風光明媚な茨城の水田地帯等をマイペースで走るのもよし。「ツール・ド・さくらがわ」は素晴らしいサイクルイベントです。