サテライト水戸が会員登録している茨城県次世代エネルギーパーク推進協議会。6月27日につくば国際会議場で今年度総会が開かれ、それに合わせて元日本環境学会会長の和田武氏を講師に迎え「地域主導による再生可能エネルギー普及」と題し講演が行われた。
再生可能エネルギーが飛躍的に普及しているデンマークとドイツを例に講演。固定買い取り制度を活用して、地域主導で太陽光、風力、バイオマスを積極的に設置。各農村での発電事業は「エネルギー作物」とまで呼ばれているという。昨冬、欧州は厳冬に見舞われたものの、ドイツは余った電力を他国に買電するなど、再生可能エネルギーを安定的に供給する仕組みをすでに確立しているとの事。
両国はなぜ再生可能エネルギーを重要視するのか。それは原発との決別を国策として決定しているためで、デンマークでは原発は1基もなく、ドイツも段階的廃止を打ち出している。化石燃料でははく地域の特性を活かして生み出される再生可能エネルギーを重視したエネルギー施策は、「市民発電所」として地域の地場産業として育成。同時に雇用・産業を産み地域を活性化する役目を果たしている。発電施設までの送電網の整備は、電力会社に義務付けている点でも日本と大きく異なる。企業ですら発電施設を建設した場合、その発電事業の一部を地域住民に開放しているという。
「再生可能エネルギーの普及を担うのは市民。企業や国、電力会社は支援する側」というスタンス。環境にやさしい持続可能なエネルギーは、地域社会・市民を豊かにするポテンシャルを兼ね備えている。資源が乏しいデンマークで普及した再生可能エネルギー。技術大国の日本でも出来ないはずはない。
つくば国際会議場で開催された総会
再生可能エネルギー普及の重要性を訴える和田氏